台湾で現存する唯一の活字屋さん

台北駅北側の静かな路地に位置し、1969年に創業した台湾で現存する唯一の活字屋さん。活字の最盛期に台北だけで何十軒もあったが、パソコンの普及やデジタル化の影響で、次第に必要とされなくなり、姿が消えていた。現在は印刷目的ではなく、活字文化の伝承のために営業している。

狭い店内は印刷工場特有のインクの匂いが漂い、棚に何万個もの鉛活字が所狭しと並べられている。印刷がまだデジタル化されてなかった時代は、この何万個の活字から文章を構成する文字を一個一個探し出し、印刷版に嵌めっていた。今から考えると気が遠くなるような作業だ。ここまでして、知識や経験を記録/具現化し、未来に伝えていきたい先人たちに思わず脱帽せずには居られない。

店内の随所にスマートフォン読み取り用のQRコードが貼られており、読み取ることでオートガイドで活字印刷の歴史に触れることができるので、とても便利だ。入店する際にいくつか注意事項が入口に書かれている。棚にぶつかる恐れがあるため、カバンは手荷物預かり所に置くこと。または購入するつもりがない活字を触らないこと。自分で字(平仮名とカタカナあり)を探し、オリジナルのハンコを組み合わせることも可能。活字マニアなら、一度は訪れたい聖地だ。台北駅から徒歩約10分。

  • 店名:日星鑄字行
  • 住所:103台北市大同區太原路97巷13號
  • 電話:02-2556-4626
  • 営業時間:月火定休、水木金 午前09:00〜12:00 午後13:30〜18:00、土日 午前09:30〜12:00 午後13:30〜17:00

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